10代最後の記事

 今、タオ島でこの記事を書いてる。


死ぬ気で勉強した大学受験。

第一志望の合格掲示板に僕の名前は無かった


 「これからの人生上手くいかないことが多い。だからここらで妥協を覚えなさい。」


耳と目を疑った。その言葉を僕にかけたのは1番応援してくれた筈の母だった。


 思えばあの時僕の心は完全に壊れてしまった。と思う。

自分の中から色が消えた。楽しむ心が死んだ。

 何をやっても楽しくない。


以前なら笑い死んでいたような事も心の底から笑えない。


 あんなに彼女が欲しかったのに、心から人を好きになれない。


大事なものが目の前を通り過ぎていく。


人生で初めての挫折だった。

 電柱を殴りながら、声を上げて泣きながら家まで帰った。


 「死にたい。」が口癖になった

 

 タオルで自分の首を締めて何秒で気絶するのか計った。


 授業中に涙が堪えられなくなり、そっと抜けて陰で1人で声を殺して泣いた。


  PCの検索履歴が「新宿 覚せい剤 入手」で埋まった。

 クリスマスに友達に遺書を書いた。

今でもそれは家にある。


こんな地獄いつまで続くのかと思った。


 生きたい、死にたい、生きたい、死にたいをずっと行ったり来たりした。


 1年の最初に取った授業で自己紹介をした。

クラスのほとんどが帰国子女だった。


どこにも行ってない僕は焦って、今年ドイツに行くと言った。


18の夏、巨大なザックを担いで不安いっぱいで1人でドイツに行った。


 世界が広がるのを感じた。

今までの自分の人生が途轍もなく下らなく見えた。

 それからは夢中だった、壊れた自分の心を治そうと必死だった。


 人生と人と向き合い続けて、いくつか自分なりの結論に至った。


 長期休みのたびに海外に行き、笑い、受験を思い出しのたうち回った。


思えば僕は混乱していたと思う。

これまで試験力で全てが決まった世界で生きてきた。自分を持ってる人が強い世界で僕はどう生きればいいか分からなかった。


 だから変な気を起こし続けた。


ある時、尊敬する経営者ジャック・マーの動画を見て気付いた。


 人間30分先の事も予測できない。況や将来の事なんか分かるわけがない。


 今を全力で生きた人間が、人と真剣に向き合った人間が人生の最高の幸せを得る。


 不幸も幸福も相対化は出来ない。


 全ては偶然だ。


ドイツで会った人懐っこい笑顔が思い浮かぶ


真っ黒なストーリーを上げた時にすぐに心配してくれためちゃ優しい大学の頭のいい友人


新海誠展を一緒に観に行き、失恋した時は何時間も一緒に飲んだ小学校からの同級生


機内で乗り合わせて「旅こそが日常」と言ったフィリピン人


ミッキーをどぶネズミ呼ばわりしてた奴


仮面浪人を真剣に考えた時に真摯にアドバイスをくれて励ましてくれた人もいた。


Twitterだけだけど受験で励まし合って下らない話をした人がいる


ふざけてるけど真面目なハイスペブロガーと出会った。彼のオフ会で人生面白くなりそうな予感がした。


勉強は教えてくれないくせにもっと大事な事を教えてくれた予備校の恩師


突然無茶振りを要求する見た目も中身も変わってる高校の皆


バーと学食や喫煙所で猥談も真面目な話もしたコーヒが好きな奴がいる


そして中学の卒業式と同じ様にで写真を撮ってくれた16年来の兄弟のような友人もいた。


まだまだいる。 思い返せばキリがない。


ほんの一瞬、ほんの一つ選択がズレてたら皆と今を共有する事は出来なかったろう。


 全ては偶然なんだ。それが今はすごく面白い。


 「20歳までに自殺する。」

 それが僕が家族に言い続けてたことだ。


 でもこうして生きている。フラフラでボロボロだけどなんとか振り落とされずに必死にしがみついてきた。


 別に10代が終わると言えど何も変わらん。

明日もまた慌ただしい1日が過ぎるだけだ。


 でも彼ら無くしては今もなかっただろう。




 本当にありがとう。


結局人を幸せにできるのは高い時計を付ける事でも綺麗に着飾る事じゃない。


 人を幸せにできるのも不幸にできるのも人しかいない。


 これに気付けただけで10代は本当に意義があったのだと思う。


 僕は人生を60年までしか計算してない。

だから人生の1/3が今、終わろうとしている。


 死ぬのがいつか分からない。怖い。

だから残された人生がどれくらいは分からないけど、人との出会いを大切に。感謝して生きていければと思う。


 そうすれば人生そんなに悪くない気がする


そして今、2日前に会った顔も名前も知らない人とビーチで将来を語り合ってる。


 全ては偶然なんだ。


吸ってたタバコを消して、綺麗な空を見上げる。


 ふと好きな歌詞の一節が浮かんだ。


“名前など無いが、長い道をきた。

 揺れる想いが証なんだ、その声で慰めてくれないか。

 呼ぶ声が標識のような光や色を抱いて

さあ、歩こう。歩こう。歩こう。”


少しの好きな曲と人との関わりをこれからみずっと大事にしたい。